たまには和歌の日を
こんばんは。
ゴルゴ103でございます。
今日は和歌の日。
夏の和歌をご紹介。
和歌でも読んで、涼しくなりましょう。
蓮葉の
濁りに染まぬ
心もて
何かは露を
玉とあざむく
⚪︎作者
僧正遍昭(そうじょうへんじょう)
平安時代前期の僧・歌人。
俗名は良岑宗貞
(よしみねのむねさだ)。
大納言・良岑安世の八男。
官位は従五位上・左近衛少将。
花山僧正とも号す。
六歌仙及び三十六歌仙の一人。
⚪︎現代語訳
蓮の葉は、泥水に生えても濁りに染まらない心を持っているのに、どうして葉に置く露を宝玉とあざむくのか。
夏と秋と
行きかふ空の
通ひ路は
かたへ涼しき
風や吹くらむ
⚪︎作者
凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)
平安時代前期の歌人・官人。
姓は宿禰。
一説では淡路権掾・凡河内諶利の子。官位は六位・和泉大掾。
三十六歌仙の一人。
⚪︎現代語訳
夏と秋とがすれ違う空の通い路は、片側は涼しい秋風が吹いているのだろうか。
天の川
浅瀬しら波
たどりつつ
渡りはてねば
明けぞしにける
⚪︎作者
紀友則(きのとものり)
平安時代前期の官人・歌人。
宮内権少輔・紀有友(有朋)の子。
官位は六位・大内記。
三十六歌仙の一人。
⚪︎現代語訳
天の川の浅瀬を知らないので、白波をたどりながら渡りきらないでいると、夜が明けてしまったなぁ。
塵をだに
据ゑじとぞ思ふ
咲きしより
妹と我が寝る
とこなつの花
⚪︎作者
凡河内躬恒
⚪︎現代語訳
咲き始めてから塵一つさえ付けて置くまいと思っている、とにかく妻と私とが共寝をする床という名の常夏の花なのだから。
夏の夜は
まだ宵ながら
明けぬるを
雲のいづこに
月宿るらむ
⚪︎作者
清原深養父(きよはらのふかやぶ)
平安時代中期の歌人・貴族。
豊前介・清原房則の子。
官位は従五位下・内蔵大允。
中古三十六歌仙の一人。
清少納言の曾祖父。
琴の名手。
紀貫之と友人。
⚪︎現代語訳
夏の夜は、まだ夜が始まったばかりだと思っているうちに、明るくなってきてしまった。今頃どの雲を宿にして眠っているのだろう、あの美しいお月様は。
風そよぐ
ならの小川の
夕暮れは
みそぎぞ夏の
しるしなりける
⚪︎作者
藤原家隆(ふじわらのいえたか)
鎌倉時代初期の公卿、歌人。
有職読みで「かりゅう」とも呼ばれる。
初名は顕隆。法名は仏性。
壬生二位と号する。
中納言・藤原兼輔の末裔で、権中納言・藤原光隆(猫間中納言)の次男。
官位は従二位・宮内卿。
新古今和歌集の撰者の一人。
藤原定家とは従兄弟であり友人。
⚪︎現代語訳
「楢の」木の葉が風にそよぐ上賀茂神社を流れる「ならの」小川の夕暮れは、もう秋のような風情がしているけれど、この「夏越しの祓」をしていることが、まだ夏である証拠なのだ。
まだまだ暑い日が続きますね。
頑張って夏を乗り切りながら、
夏を満喫しましょう。
今日はこの辺りで。
ありがとうございました。
ではまた、次回。